2025 年 42 巻 4 号 p. 769-772
症例は39才男性.X年3月に嘔吐,複視を訴え入院した.外眼筋麻痺,両側肺門リンパ節腫脹および水頭症を認め,神経内視鏡による脳室壁生検を行ったところ非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたため神経サルコイドーシス(神経サ症)と診断された.第三脳室開窓術や脳室腹腔シャント術の後,glucocorticoidとmethotrexateによる治療を行ったが,半年後に水頭症を再発した.シクロフォスファミドパルス療法にて一時改善したが水頭症を再発し,第三脳室開窓術を施行後TNF–α阻害薬であるinfliximabを導入した.以後3年間再発なく経過したが多数の脳表造影病変にて再発し,抗CD20抗体であるrituximabを導入したところ造影病変が消退し,以後1年以上寛解を維持している.ステロイド,免疫抑制剤,infliximabに抵抗性の神経サ症に対しrituximabは有用な選択肢になり得ると考えられる.