2021 年 19 巻 1 号 p. 36-43
本研究の目的は、親の新聞購読習慣とニュースに対する興味関心が新聞閲読行為に及ぼす影響と、新聞閲読行為が学力に及ぼす影響を実証的に明らかにすることである。大学生(N=417)を対象とした質問紙調査の結果、親の新聞購読習慣があり、ニュース全般への興味関心が高いほど、新聞閲読記事数が多いことが明らかになった。また、新聞閲読記事数が学力の指標となる偏差値に正の影響を与えていた。全体の構造をみると、大学生の新聞閲読行為は、親の新聞購読習慣とニュース全般への興味関心によって規定されており、これらの要因が新聞閲読行為を経由して偏差値へと間接的に働きかける効果も示唆された。