抄録
これまでの太陽日射量推定・予測の研究では、一部雲条件での精度が課題となっていた。この条件下では、
雲が太陽を覆ってしまうSun Occlusion Event(SunOE)が頻繁に発生する。SunOE では、雲によって日射量
が減衰するだけでなく、同時期同時刻の晴天時に比べて日射量が増強する現象が発生しており、推定・予測
を困難にしていた。今実験期間では、日射量が増強したSunOE は29%で、増強したSunOEs の92%で、カメ
ラ画像にレンズフレアが観察された。日射量の増減およびレンズフレア現象に関わると仮定した6 つの領域
のRGB の赤青比を空の特徴情報(天空特徴量)として抽出した。そして、SunOE の日射量に対する雲の影響を
明らかにするために、多層パーセプトロン(MLP)に天空特徴量を投入し解析した。交差検証により約1%の
高精度を実現したモデルは、レンズフレア現象が最も効果的な要因であること、2 番目に太陽周辺の高輝度
領域、3 番目に空の薄い雲成分であることが明らかなった。