抄録
製品の需要が価格弾力性を有する場合において,サプライチェーン全体での総利益最大化のためには,サプライチェーンを構成する生産者と小売の連携が有益である。本研究では,従来のサプライチェーンモデルを,価格弾力性を有する需要の不確実性を考慮したより現実の問題に近い確率計画モデルへ拡張し,その解法を示した。そして数値実験を行い,価格弾力性を有する需要が変動する場合においても,サプライチェーンを構成する生産者と小売が連携したモデルの方が,個別に最適化を行うモデルよりもサプライチェーン全体での利益が大きくなり有益であることを示した。
キーワード:サプライチェーンマネジメント,共同経済的ロットサイジング,需要の価格弾力性,全体最適化,確率計画法