抄録
本研究は,日本語テキストコミュニケーションにおける書き手と読み手の間の感情的共鳴
を定量化したものである.Suzuki et al.(2022)のWRIME データセットを用い,Plutchik の8 感情に基づく書
き手と読み手の感情ベクトル間のユークリッド距離を「共鳴距離」として定義した.分析の結果,感情強度
が高いほど共鳴距離が大きく,共鳴が生じにくい傾向が示された.また,共鳴しにくい書き手ほどネガティ
ブな語を多く使用する傾向がみられ,強い感情表出や否定的表現が書き手と読み手の間の感情の共有を妨げ
る可能性が示唆された.