日本口腔診断学会雑誌
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原著臨床
音声入力を用いた口腔診査記録の試み(8)乳歯列や混合歯列の入力時間の短縮
米谷 裕之有田 清三郎小出 武辻 一起子辰巳 浩隆米田 護大西 明雄樋口 恭子
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2014 年 27 巻 2 号 p. 191-196

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抄録

音声入力を用いた口腔診査記録では乳歯列の“A”から“E”を正しく認識することが大切である。乳歯の“A”から“E”については“D”と“E”の音声認識ができなかったので,われわれは“A”から“E”を認識しやすい“1-(いち はいふん)”から“5-(ご はいふん)”として入力する方法(H法)を報告した。“1-”は「いち はいふん」と発音するので入力時間が長くなっていた。そこで入力時間を短くするため,乳歯の“1-”から“5-”を“1ban(いち ばん)”から“5ban(ご ばん)”として入力する方法(B法)を試みた。また,B法の用語で診査記録をExcelのひとつのセルに入力する方法(新B法)を試み,入力時間を比較した。
いろいろな口腔状態のものを20症例作成した。各症例をH法とB法で5回ずつ入力し,時間を比較した。また,入力誤り率を調べた。さらに,新B法を用いて各症例5回入力し時間を測定した。入力誤り率についても検討した。
その結果,H法の平均入力時間は128秒,B法は112秒で B法が16秒速かった。入力誤り率はH法が0.05%,B法が0.03%でほぼ同じであった。新B法の入力時間は82秒でB法より30秒速かった。新B法の入力誤り率は0.05%でB法とほぼ同じであった。
音声入力を用いた乳歯列や混合歯列の口腔診査記録には新B法が有用であると思われる。

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