日本口腔診断学会雑誌
Online ISSN : 2188-2843
Print ISSN : 0914-9694
ISSN-L : 0914-9694
臨床報告
Sタンパク欠損症患者に対してワーファリン継続下で智歯抜歯を施行した1例
大場 誠悟吉村 仁志佐野 和生
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 27 巻 2 号 p. 197-201

詳細
抄録
Sタンパク欠損症(PSD)は抗血液凝固反応を抑制するため,PSD患者はワーファリンなどによる抗凝固療法が必要である。PSD患者では,手術前後の出血や血栓形成などの合併症を生じさせないように様々な試みがなされている。PSDのためにワーファリンを内服していた62歳の女性に対して,ワーファリンを中止することなく外来で智歯の抜歯を行った。抜歯時のPT-INRは2.56であった。患者は術後の止血を目的に止血床(SAS)を装着して帰宅し,術後に合併症は認められなかった。PSD患者の場合であっても,今回用いたSASによりワーファリンを中止することなく抜歯などの小手術を外来で安全に施行することができると考えられる。
著者関連情報
© 2014 日本口腔診断学会
前の記事 次の記事
feedback
Top