知能と情報
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原著論文
分散協調ストレージシステムにおけるネットワーク規模および一貫性を考慮した複製配置手法の提案
吉永 浩和土屋 健小柳 恵一
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2010 年 22 巻 2 号 p. 246-256

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抄録
近年P2P技術を用いることで,スケーラビリティ,ロバストネスを考慮したシステム構築が可能となり,様々なシステムで応用されている.我々はP2Pネットワーク上のピア間でストレージを提供および共有し合うことで巨大なストレージ空間を構築する分散協調ストレージシステムを提案している.分散協調ストレージは,アプリケーションレベルでハッシュ空間を形成し,自己組織的に構築されたオーバレイネットワーク上で動作する.それぞれのピアはハッシュ空間の特定の範囲を管理し,オブジェクトから取得したハッシュ値を用いて,該当するピアにオブジェクトを蓄積する.一般的に,P2Pネットワークでは,オブジェクトに対する高アベイラビリティを保証するために,複製を配置する.本稿では,オブジェクトの複製がネットワークの規模に適応して配置され,尚かつ,オブジェクトの更新や削除に対する一貫性を保証する分散区間木(Distributed Interval Tree)手法を提案し,シミュレーションによってその有効性を明らかにした.
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© 2010 日本知能情報ファジィ学会
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