知能と情報
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原著論文
背景補完した全周パノラマ画像の自動生成に関する研究
-領域抽出による移動体除去方法-
西田 義人田中 成典谷口 寿俊加藤 雄大
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2011 年 23 巻 4 号 p. 541-554

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抄録

近年,デジタルカメラの普及と画像処理技術の発達に伴い,複数枚の画像から広範囲を撮影したパノラマ画像を容易に取得できるようになった.特に,全周パノラマ画像は,撮影者から見た周囲状況の表現に優れる特性があることから,市街地の道案内や,3Dシミュレーションなどと非常に親和性が高い.また,Google Street Viewなどのパノラマビューシステムの普及も相まって,その活用範囲は飛躍的に拡大している.しかし,大衆の目に触れるサービスに利用されるパノラマ画像に映っている人物や車両は,周囲状況の把握には不要な情報であり,プライバシー保護の観点からも好ましくない.そこで,本研究では,デジタルカメラの動画撮影機能を用いて,フリーハンドで撮影した動画像から切り出したフレーム画像の移動体領域を特定し,移動体を背景に補完した全周パノラマ画像を生成する手法を提案する.まず,動画像の各フレームに特徴点を生成する.次に,それらを用いて画像間の対応点を取得し,基準画像に重なるように位置あわせを行う.そして,補正した画像列から移動体領域を特定する.最後に,移動体抽出画像の移動体領域を背景領域に補完しながら円筒面に投影することによって移動体を除去した全周パノラマ画像を生成する.

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© 2011 日本知能情報ファジィ学会
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