知能と情報
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原著論文
Mamdani 推論法に基づく複数モード振動のロバスト制御
槙原 幹十朗黒石 千香子福永 久雄
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2013 年 25 巻 3 号 p. 730-739

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抄録

宇宙空間では宇宙機の姿勢・高度制御やドッキングなどにより構造物に様々な振動が発生する.打ち上げ軽量化の為に柔軟構造にならざるを得なく,真空中では振動が減衰しにくいので,宇宙構造物の振動問題は深刻である.宇宙構造物では,電力も限られている為,地上構造物のような多様な入力エネルギを用いる制御は受け入れられない.そのため,低エネルギ消費の振動制御として,構造物に取り付けた圧電素子をつないだ電気回路を活用するスイッチング型セミアクティブ手法は魅力的である.スイッチング型セミアクティブ振動制御では電気回路の選択スイッチを切替えるだけで,高い振動制御効果を達成できるからである.その反面,スイッチ切り替えのタイミングが非常に重要である.スイッチングタイミングを決定する一つの手法として閾値法が提案されたが,ロバスト性が低いという欠点があった.そこで,その閾値法を用いたセミアクティブ振動制御のロバスト性を高める目的で,スイッチング型セミアクティブ制振手法にファジィ理論のMamdani 推論法を導入した.しかも,従来の閾値法では別途必要であった変位センサを不要にしたセンサレス制御系の構築にも成功した.アクチュエータとして機能している圧電素子にセンサの機能を追加付与した.CFRP積層平板を用いた制振実験により,提案するファジィ理論に基づくセミアクティブ振動制御が従来のセミアクティブ振動制御に比べの高いロバスト性を有することを実証した.

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© 2013 日本知能情報ファジィ学会
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