抄録
本論文は,あいまいなプラントに対してI-PD制御器を設計する問題を扱っている.プラントが,高木-菅野のファジィモデルで記述できるとき,係数図法(CDM)を用いてI-PD制御器の設計法を提案している.なお,係数図法は,安定性・応答性・ロバスト性の3特性を同時に満たす制御器を設計できる特徴を有している.ファジィモデルは,後件部が伝達関数で書かれている場合を取り上げる.このとき,提案手法は,容易にI-PDパラメータを得ることが出来る.最後に,代表的なプロセス制御系に対してシミュレーション実験を行い,提案手法の有効性を確認している.