2013 年 25 巻 3 号 p. 760-771
本研究では,ライントレースカーの操舵角とモータの制御に簡略型推論法を用いてジグザグ走行をせず,滑らかに走行させるように制御することを目的とする.ライントレースカーは,走行中に読み取ったセンサの値を入力とし,操舵角と左右の後輪パワーを制御して走行するシステムとなっている.本研究で設計したファジィ制御器は操舵角の制御器をモータ出力の制御器の入力としてあつかう二段ファジィ制御を採用している.推論ルールの獲得やメンバーシップ関数のチューニングは複雑となり,人がチューニングためには多大な労力と時間が必要となる.そこで本研究では,ファジィ制御器に用いるファジィ推論器の調整パラメータが連続空間上にあることに着目した.多次元の連続関数最適化問題として,ファジィ推論器の自動チューニングを差分進化(Differential Evolution)アルゴリズムを用いて行った.本報告では多変数のパラメータ自動チューニング結果について報告する.