知能と情報
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Quality Indicator
畠山 豊
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2015 年 27 巻 1 号 p. 26

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抄録

近年,各医療機関における「医療の質」を評価,可視化することによって改善の取り組みが行われ始めている.電子カルテシステムを多くの施設で導入し,長期間のデータを各施設が維持し集計が比較的容易になったことによって,この様な評価が可能となった.この取り組みおいて評価された指標を Quality Indicator と呼んでいる.また,特に臨床を対象として意識されたものを Clinical Indicator と呼ばれる場合もあるが,基本的には同じものを指している.これらの指標は,在院日数,救急の受付人数などの病院全体についての情報,転倒・転落や褥瘡の発生率などの看護の情報,各専門領域における検査値のコントロール率や治療結果などの疾患ごとの情報や,患者満足度などの統計情報から構成されるのが一般的である.これらの情報は業務改善などに用いられ,さらに医師の勉強会などで用いることで現時点における改善点が明らかになることによって,年毎の指標値が改善された結果の報告がされている.各医療機関の地理的状況や重症患者の割合などが異なっており,これらの前提条件を調整するような指標の定義がされていないため,Quality Indicator による他施設間比較は意味がないが,医療情報の利用という観点からも議論が行われている.

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© 2015 日本知能情報ファジィ学会
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