抄録
列車運転においては,走行状態が所定のダイヤから遅れを生じると,運転手は制約条件変化予告の情報を利用しながら目的地到着時間の短縮が要請される.しかし列車の運転は,効率性,安全性,正確性,快適性と共に,動的に変化する制約条件(制限速度・信号機の表示が切り替わる時刻)を考慮しながらの多目的で困難な作業であり,非熟練運転手に対しての適切な運転支援情報の提供が重要である.本論文では,制御操作量の決定に人間の感覚的評価や対象の動特性に基づく制御知識を取り入れた知的制御方式を適用し,時々刻々の制約条件変化予告と操作間隔などを考慮する運転知識を用いて適切な操作量を求め,これに基づき運転手に対して操作支援情報を提供する構成の知的運転支援システムを開発した.開発システムにより,走行中に制約条件の変化予告を利用して目的地到着時間の短縮(輸送量の確保)を行い,的確かつ柔軟な支援が出来ることを確認した.