2016 年 28 巻 4 号 p. 756-763
本論文では,複数のファジィ利得行列を持つ多目的2人ゼロ和ゲームに対するファジィアプローチを提案する.各プレイヤーが,2人のプレイヤーの混合戦略に対応するファジィ期待利得に対してファジィ目標を持つものと仮定する.ファジィ期待利得に対する可能性測度の概念を導入することにより各プレイヤーのファジィ目標の達成度を定義する.各プレイヤーがファジィ目標の達成度に対してミニマックス戦略をとる場合に対して,各プレイヤーの悲観的パレート最適解を定義する.各プレイヤーの悲観的パレート最適解集合の中から悲観的妥協解を導出するための,線形計画法に基づく対話型アルゴリズムを提案する.