知能と情報
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原著論文
LP データと河川定期縦横断測量成果を用いた任意地点の横断図生成手法に関する研究
田中 成典中村 健二今井 龍一窪田 諭梅原 喜政
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2016 年 28 巻 5 号 p. 810-825

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抄録

河川は,様々な図面や台帳等の資料を調製することで管理されている.特に,横断図は堤防の現況把握に加え,改修計画等に用いられるため,非常に重要な資料である.しかし,横断図は,人手で測量,図化作業が行われるため,測量費の制約から200m間隔の距離標地点のみで作成される.そのため,現在,航空レーザ測量で得られたLPデータから横断図を生成する技術が求められている.LPデータには,植生等のノイズが含まれ,地表面が計測されない課題や,点群密度の問題から断面変化点を計測できない課題がある.LPデータの課題を解消する既存研究として,LPデータから一定範囲毎に最下点を取得して地表面の点群データを抽出する手法やLPデータからブレイクラインを推定する手法があるが,それぞれ「点群データの精度がグリッド幅に依存する課題」と「湾曲部においてブレイクラインを誤抽出する課題」がある.そこで,本研究では,この2つの課題を解消するグリッド幅に依存しないノイズ除去手法と,湾曲部においても適切にブレイクラインを推定する手法を提案する.評価実験では,提案手法と既存手法で生成した任意地点の横断図を比較,評価し,提案手法の有用性を明らかにした.

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© 2016 日本知能情報ファジィ学会
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