知能と情報
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原著論文
ヒューマノイドロボットを用いた言語理解による動作生成
濵園 侑美小林 一郎麻生 英樹中村 友昭長井 隆行持橋 大地
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2020 年 32 巻 1 号 p. 632-642

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抄録

現在,日本は超高齢化社会に突入しており,それに伴う人手不足問題をロボットを利用して解決をはかろうとする取り組みが増えている.近年では,ロボットを安価に入手出来るようになったり,人とロボットが触れ合う機会も増えており,人間とロボットのコミュニケーションが大きく発展する可能性がある.本研究は,家庭内でロボットを用いる場面を想定し,人の言葉を理解し動作を生成するヒューマノイドロボットの実現に向けた取り組みである.

言葉の意味を捉える方法は,単語が元々持っている意味や単語同士の意味的関係から意味ネットワークを生成するも方法があるが,本研究では,言葉の意味の捉え方に文章中の単語の頻度情報や周辺に出現する単語の類似を用いて自動的に意味を付与する手法である,分散表現を用いる.それにより,曖昧な言語表現であっても分散表現上では一つの表現に定まり,扱いが容易になる.ロボットに動作を生成させる方法として, ロボットの関節の動きと人間の関節の動きは異なるということに留意し,ロボットが行える基本動作を組み合わせることにより,人の動きを真似て行える枠組みを提案する.この枠組みにより,基本動作を組み合わせて,複雑な動作を表現および生成すること可能がとなる.

言葉と動作の対応関係を捉える方法は様々あるが,本研究ではニューラルネットワークの技術を用い,多様なロボット動作と曖昧な表現との対応関係を学習する枠組みを提案し検証する.

これらにより,人の言葉による指示からロボットが動作を生成し動作することが可能となる.また,初めて行う動作であっても言葉の意味から推測し,ロボットが動作生成することが可能となる.

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© 2020 日本知能情報ファジィ学会
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