2020 年 32 巻 1 号 p. 653-662
本研究の最終目的は,ペルソナデザインに必要な蓄積情報や技術の乏しい新規企業や小規模な企業でもペルソナマーケティングを可能とするフレームワークを構築することである.特に本論文では,実在人物のように感じられるペルソナを容易にデザインすることを目標に,対話型遺伝的アルゴリズムによるシステムを開発した.本システムでは,ユーザはシステムによって生成される少数のシナリオを評価するだけで良い.そのため,ペルソナデザインに不慣れなユーザにも抵抗なくペルソナのシナリオ生成が可能となっている.ペルソナの利用者および対象セグメントに属する100名による評価実験の結果,本システムが実在人物のように感じられるペルソナデザインに有効であることがわかった.