2020 年 32 巻 4 号 p. 759-767
本論文では,高橋らによる大規模な決定表からの擬一般化動的縮約の抽出手法の改良を試みる.高橋らの手法は主に,擬一般化動的縮約の候補の抽出フェーズおよび抽出された候補の確認フェーズの2段階で構成されているが,確認フェーズで用いるパラメータεの適切な事前設定が必要であること,および擬一般化動的縮約となる条件を満たす可能性が低い候補であっても,確認作業を早期に打ち切ることが困難であることなどの課題があった.本論文ではこれらの課題を解決することを目的に,パラメータεの動的更新および二項検定を用いた確認作業の早期打ち切りを導入することで,擬一般化動的縮約の候補の確認作業を改良することを試みる.更に,抽出された擬一般化動的縮約について,表内に存在しないデータに対する頑健性を検証する.