2021 年 33 巻 2 号 p. 593-599
観測値行列を非負の因子行列に分解する非負値行列分解(Non-negative Matrix Factorization:NMF)は,大気中の汚染物質の発生源分析などで活用されているが,最小2乗原理に基づいた更新モデルになっていることから,ノイズ観測の影響を強く受ける欠点がある.本論文では,ノイズファジィクラスタリングにおけるノイズ除去機構をNMFに融合することにより,ロバストな非負値行列分解法を提案する.観測点ごとのノイズ度を判定するファジィメンバシップを導入し,ノイズ観測点の影響を排除しながら行列分解を行うことで,ロバストなモデル推定を行う.数値実験においては,簡易な人工データによる特性の検証を行った後に,実世界の環境観測データへの適用を通して有効性を検証する.