知能機械やロボットマニピュレータは,エンドエフェクタに専用のツールやグリッパーなどを取付けることで機能を拡張でき,各種作業の動作指令にもとづいて正確に実行する.ここで,ロボットの作業動作は逐一,熟練のロボットオペレータによって主にコントローラ操作で教示される.ロボットが自律的に動作を習得することを目指し,これまでに著者らは,人間の作業動作情報からロボットが未使用の道具の使用方法を真似て学習するアルゴリズムを提唱している[1].さらに,既に学習した操作方法をもとに比較的類似度が高い道具であれば短時間で習得が可能で,高精度に実行できることを示した.本研究では,人間の日常生活の中の現実的作業として掃く動作を対象とし,多種多様なほうき状道具と回収対象物の組み合わせを検証することで,ロボットによる高速な模倣学習能力の適応性を評価する.これにより,扱う道具と対象物が清掃能力に及ぼす変化と,その傾向について明らかにする.また,類似度の大小が模倣学習の高速化に与える影響について確認し,類似度については,複数の道具を用いて,計算手法の妥当性を検証する.