2022 年 34 巻 2 号 p. 544-549
交通死亡事故のうちヒューマンエラーによる事故が多くを占めており,これらの事故はドライバの不注意や運転への意識低下がその発生要因の一つとされる.そこで,運転操作以外にドライバの注意をそらす行動(不安全運転行動)の発生を検知し,ドライバに注意を促すことで,事故防止への貢献を期待できる.本論文では,手先の動きからドライバの行動内容を推定することに着目する.両手首に加速度センサを装着し,ドライビングシミュレータを用いた運転行動の計測実験を行なった.取得したデータから運転中の行動内容を推定する第1ステップとして,Sliding-Window法とk最近傍法を組み合わせて行動内容の推定を行い,手首につけた装着型加速度センサで検出可能な運転中の行動内容とその推定精度についての考察を行なった.