2023 年 35 巻 1 号 p. 501-505
日本語オノマトペの多くは複数の語義を持ち,それらの語義は周辺の文脈によって判別される.従来研究では,事前学習済みのBERTモデルから得られるオノマトペのベクトル表現を用いた語義分類の自動化が提案されている.この手法は一定の性能を達成しているが,訓練データを作成するためのアノテーションコストが高く,全てのオノマトペに対して訓練データを豊富に用意することは難しいという課題が残る.本論文では,低いアノテーションコストで語義分類を自動化することを目指して,オノマトペの辞書にある用法を用いたルールベースの語義分類手法を提案する.実験の結果,用法から生成したルールが語義分類の精度向上に貢献することが確認された.