2023 年 35 巻 4 号 p. 769-779
本研究ではロボットの外見設計として服装に着目し,ロボットがタスクに合わせて服装を変化する際のユーザの印象を調査した.服装には他者に対して自身の役割や能力を示す効果がある.この効果をロボットの外見に利用することで,単一のロボットであっても複数のタスクに対する役割や能力を表現することができ,ロボットの外見設計において有益となる可能性がある.実験では,ロボットがタスクに合わせて服装を変化する場合としない場合とでのユーザに与える印象の違いを,シミュレータで作成した動画視聴実験を通して調査した.実験の結果,ロボットがタスクに合わせて服装を変化することで,ユーザはロボットの外見をタスクに適したものであると解釈することが示され,ロボットの服装を通してその能力や特性をユーザに対して適切に伝達できる可能性が示唆された.