知能と情報
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35 巻, 4 号
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目次
特集:「原子力発電所の廃止措置」
会  告
総目次
特集論文:原子力発電所の廃止措置
ショートノート
一般論文
原著論文
  • 酒井 浩, 中田 典規
    原稿種別: 原著論文
    2023 年 35 巻 4 号 p. 746-758
    発行日: 2023/11/15
    公開日: 2023/11/15
    ジャーナル フリー

    ラフ集合非決定情報解析RNIA(Rough Set Non-deterministic Information Analysis)はカテゴリカルな表データを解析するための数学的枠組みであり,ラフ集合理論に情報の不完全性・非決定性を追加した枠組みと考えられる.RNIAでは,通常の表DIS(Deterministic Information System)からルールを生成するDIS-アプリオリ法,欠損値(または非決定情報)を含む表NIS(Non-deterministic Information System)から確実ルール・可能性ルールを生成するNIS-アプリオリ法が提案・実現されている.今回,RNIAの体系を利用しNISにおける欠損値補完と機械学習機能の実現を目指す.欠損値が多く含まれる表データでは,通常,ルール生成は難しいと考えられるが,NIS-アプリオリ法では閾値を調整しながら確実ルールを生成でき,属性間の依存関係を把握できる.この性質を利用し,欠損値が存在する属性を決定属性とする確実ルールを生成し,取得した確実ルールによって欠損値を補完する手法,SRI法(Self-obtained Rule-based Imputation procedure)を提案する.この手法は教師無し学習であり,背景知識や追加情報は要らない.また,欠損値を含む属性ごとにSRI法を適用すれば,NISから逐次的にDISを学習する機能を実現できる.この枠組みをルール生成による機械学習MLRG(Machine Learning by Rule Generation)と呼ぶ.実験を通してSRI法の妥当性や特性を示し,機械学習MLRGの可能性を考察する.

  • 黒須 宏道, 黒堂 裕也, 眞部 雄介
    原稿種別: 原著論文
    2023 年 35 巻 4 号 p. 759-768
    発行日: 2023/11/15
    公開日: 2023/11/15
    ジャーナル フリー

    強化学習に内発的動機づけ機構を組み込んだアプローチの1つとして,階層型強化学習がある.階層型強化学習は,Agentの内部機構を問題解決のための上位方策(サブゴールの適用順序)と下位方策(サブゴールまでの行動系列)の2つに分割し,それぞれを学習するものである.サブゴールの定義が適切であれば,従来の強化学習では解決が困難な報酬が疎な環境や長い行動系列の学習を必要とする環境でも問題解決ができることが示されている.しかしながら,既存の階層型強化学習は,問題解決に必要なサブゴール群が事前に得られていることが前提となっており,自律的な強化学習を実現するアルゴリズムとなっていない.そこで本研究では,問題解決に必要な経験や適切なサブゴール群を徐々に生成する仕組みを導入した新しい強化学習アルゴリズムであるStepwise Unified Hierarchical Reinforcement Learning(SUHRL)を提案する.SUHRLは,Fuzzy ARTによる段階的なクラスタリングと経験獲得処理を行うことで,適切なサブゴールを段階的に生成して問題解決を行う.MiniGrid環境やMontezuma’s Revengeを用いた評価実験の結果,提案手法によって段階的に必要なサブゴールを生成することができ,自律的に問題解決できることを示す.

  • 吉原 一成, 小林 一樹
    原稿種別: 原著論文
    2023 年 35 巻 4 号 p. 769-779
    発行日: 2023/11/15
    公開日: 2023/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究ではロボットの外見設計として服装に着目し,ロボットがタスクに合わせて服装を変化する際のユーザの印象を調査した.服装には他者に対して自身の役割や能力を示す効果がある.この効果をロボットの外見に利用することで,単一のロボットであっても複数のタスクに対する役割や能力を表現することができ,ロボットの外見設計において有益となる可能性がある.実験では,ロボットがタスクに合わせて服装を変化する場合としない場合とでのユーザに与える印象の違いを,シミュレータで作成した動画視聴実験を通して調査した.実験の結果,ロボットがタスクに合わせて服装を変化することで,ユーザはロボットの外見をタスクに適したものであると解釈することが示され,ロボットの服装を通してその能力や特性をユーザに対して適切に伝達できる可能性が示唆された.

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