本稿では,運転支援ロボットが自動運転の段階解除を通知する際に用いる言語的配慮戦略が信頼性と煩わしさに及ぼす影響を検討する.研究の方法として,ポライトネス理論における言語的配慮戦略を参考に設計した段階解除通知の発話および,RoBoHoNとドライビングシミュレータを用いた刺激提示動画を作成した.クラウドソーシングによって240人の実験参加者を対象に,運転支援ロボットの発話を信頼性および煩わしさについて主観評価してもらうビデオベースの実験を実施した.実験の結果,自動運転解除6段階のいずれの段階においても,本実験で評価した言語的配慮戦略のうち「話し手と聞き手の両者を行動に含める」,「理由を言う」,「敬意を示す」戦略および言語的配慮を伴わない直接的な発話の信頼性が高く,かつ煩わしさが低い傾向を確認した.