抄録
学校では教育の情報化が推進され,児童生徒がICTを活用するためにデジタル機器を利用する機会が増えている。本研究では,児童生徒が自らの健康に留意してデジタル機器を適切に利用できるよう支援することを目的として,3つの健康支援動画を開発した。動画では,デジタル機器利用時の視距離の重要性や,眼が疲れる理由と休憩の大切さ,デジタル機器の具体的な活用場面における健康配慮などを取り上げた。また,学校や家庭におけるデジタル機器の利用場面を反映したシナリオを設定した。児童生徒の1年間の利用状況についてアクセスログを分析した結果,動画の視聴は4月末から5月初めの大型連休前や夏休み前,10月の「目の愛護デー」の時期に多く,それらの時期に学校で積極的に活用されていることが示唆された。また,小学校低学年での利用が多いことから,学校では健康支援に積極的に取り組んでいることも示唆された。児童生徒の内容の理解度や習得度に関する検討が今後の課題である。