2024 年 36 巻 4 号 p. 703-712
近年,世界中で自動運転車に関する研究開発が進められているが,乗員が自動運転車の挙動から周囲の認識状態や制御意図を認識することができず不安を抱く要因となっていることが問題視されている.特に,危険が差し迫っていない通常走行時は,システムへの過信を防ぐ為にも乗員にとって煩わしくない情報伝達が必要となる.本研究では,小型の人型ロボットを車載インタフェースとして使用し,ノンバーバルコミュニケーションを通して乗員に認識状態や制御意図を伝達することを提案する.一方,車載環境においてロボットと乗員のコミュニケーションを通して,周辺環境や車両の挙動認識にどのような影響を及ぼすかに関する有効なロボットモーションや動作タイミングが明らかにされていない.本論文は,ロボットのモーションと動作タイミングに焦点を当てて,乗員の環境認識と自動運転車の挙動認識に及ぼす影響を評価する事が目的である.ドライビングシミュレータと実機の車載人型ロボットを用いた実験を通して,ロボットのノンバーバルコミュニケーションと乗員による車両挙動認識について議論を行った.