2025 年 37 巻 1 号 p. 524-529
都市化や土地開発,水質汚染による水生生物の生息環境の劣化は,生物多様性に悪影響を及ぼしており,生息環境の保全と再生が急務となっている.その際,水生生物の生息環境と空間分布をモデル化し,生息環境を定量評価することが水域生態系の保全の基本である.多目的ファジィ遺伝的機械学習を用いた生息場モデリングでは,言語的解釈が可能なファジィルールによって構成されるモデルを生成し,水生生物に適した生息環境条件を評価することが可能である.本手法では,属性選択がモデルの解釈可能性と識別精度に大きな影響を与える.本研究では,属性間の多重共線性に基づいて冗長な属性を削除し,多目的ファジィ遺伝的機械学習を用いた生息場モデリングにおいて,多重共線性に基づく属性選択が精度と解釈性に及ぼす影響について検討する.