知能と情報
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ショートノート
エージェントとのピア・ラーニングによる運動モチベーション向上システム
坂口 靖哉アイエドゥン エマヌエル徳丸 正孝
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2025 年 37 巻 1 号 p. 520-523

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抄録

本論文では,ユーザとエージェントによる運動のピア・ラーニングによりユーザの運動に対するモチベーション向上を促すシステムを提案する.ピア・ラーニングとは学習者同士が互いに教え合う学習方法である.近年,問題視されている生活習慣病は継続的な運動により予防できると言われているが,運動を継続することは簡単ではない.この問題を解決するためにピア・ラーニングに着目し,ユーザとエージェントが運動を教え合うことで,ユーザの運動モチベーションの向上を促すシステムを提案する.本システムは,ユーザとユーザの友人として振る舞うエージェントが交代で運動動作の課題を行い,互いの運動動作に対してアドバイスを伝え合う.実験の結果,被験者の80%以上が,エージェントが一方的にアドバイスを伝える比較システムに対して,提案システムの方が運動をより楽しめたと回答した.これらの結果は,ユーザーとエージェント間のピアラーニングが運動へのモチベーションを効果的に高めることを示唆している.

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© 2025 日本知能情報ファジィ学会
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