2025 年 37 巻 4 号 p. 695-707
本研究では,リアルタイム制御システム向けのFPGAベースの適応型ニューロファジィ推論システム(ANFIS)の低遅延推論を目的とし,その設計と評価を行った.近年,AI-IoTの発展に伴い,低遅延かつ低消費電力なAI推論がエッジデバイスに求められている.本研究では,学習済みANFISモデルをC言語(CPU実装)とVerilog HDL(FPGA実装)で設計し,アイリスデータセットとバランススケールデータセットを用いて,分類性能,処理速度,消費電力を比較検証した.アイリスデータセットの分類において,FPGA実装はCPUと比較して約1.7倍の高速化と大幅な消費電力の削減を達成した.また,バランススケールデータセットを用いた検証では,16ビット浮動小数点演算による精度限界が推論の不安定性に及ぼす影響を議論し,実装上の課題を明らかにした.以上の結果から,FPGA上でのANFIS実装がリアルタイム制御やエッジAIへの応用において有効であることを示した.