2026 年 38 巻 1 号 p. 532-536
本研究は,母親向けSNSにおいてユーザが投稿した質問文・回答文および検索履歴のデータを用い,育児情報における「知識ギャップ」を抽出することを目的とする.まず,Q&Aデータに含まれる質問文をベクトル化し,類似度に基づいてクラスタリングを行う.次に,各クラスタにおける回答率およびユーザの検索頻度を集計・可視化し,繰り返し質問・検索されているにもかかわらず十分な回答が得られていない領域を定量的に特定する.本手法により,母親たちのリアルな情報ニーズを構造的に把握できることが示された.分析の結果,夜泣きや離乳食,発熱,夫婦関係といった領域で知識ギャップが顕著であることが確認された.これにより,行政や医療機関による情報提供の不足や盲点を明らかにできる可能性が示された.