2026 年 38 巻 2 号 p. 607-614
本稿では,情報理論の統合的な学習支援用Webシステム「情報理論ハンズオンセンター」の開発について報告する.一般的な書籍や教材では,個別の概念は理解できても,それらの概念を組み合わせて通信全体の流れを把握するのは難しかった.本システムでは,情報量・エントロピーなどの基礎的な概念から,ハフマン符号による情報源符号化,ハミング符号による通信路符号化などをインタラクティブに学習できる環境を提供する.個別の理論やアルゴリズムの体験だけでなく,送信者がハフマン符号・ハミング符号を用いて雑音のある通信路にメッセージを送信し,受信者が誤りを訂正しながらメッセージを復号する一連の過程を体験できる.学部生の協力による評価実験の結果,システム試用前後での理解度テストの点数には有意差は認められなかったが、5段階評価のアンケートでは「理解の促進度」の平均4.48,「内容の充実度」の平均4.28という評価を得た.