2018 年 31 巻 1 号 p. 72-76
1995年の東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント外来の開設以来,新来患者の動向とその背景を明らかにすることを目的として,われわれは5年ごとに後ろ向き定点研究を行ってきた.1996年4月から2017年3月までの間5年ごとに,新来患者総数,性別,年齢分布,および来院理由を調査した.
新来患者総数は,1996年度の275名から2011年度の1,643名に増加したが,2016年度は1,164名に減少した.男女比はどの年度もおよそ1:2だった.新来患者の年齢のピークは,1996年度の40~50歳代から2011年度の60歳代へと徐々に変化したが,2016年度は2011年度と同じ60歳代であった.来院理由の約80%は,インプラント治療希望であった.他院埋入インプラントの不調患者数は1996年度から2011年度にかけて増加したが,2016年度は2011年度とほぼ同数であった.
更に,2001年度から2016年度の間のインプラント埋入手術件数は,インプラント治療希望の新来患者数に比例した.一方,その他インプラント関連外科手術件数は,年度ごとに増加した.2016年度における総手術件数は,2011年とほぼ同等だった.