2020 年 33 巻 2 号 p. 197-201
下顎インプラントオーバーデンチャー(以下IOD)の破折症例において現有義歯を参考にしてCAD/CAMシステムを用い,レーザーシンタリング法で製作した補強構造を有するIODを装着し,良好な結果を得たので報告する.
患者は62歳,男性.補強構造がない下顎IODの破折を主訴に来院した.現有の義歯形態には満足していたため破折した義歯を修理し,新義歯製作のために複製義歯を製作した.複製義歯をスキャンしデジタル化した後,補強構造をCADでデザインしてレーザーシンタリング法でコバルトクロム合金の補強構造を製作し,現有義歯に近似した補強構造を有する新義歯を装着した.現在,新義歯装着から1年6カ月経過しているが,破折もみられず良好に経過している.