日本口腔インプラント学会誌
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調査・統計・資料
歯科用コーンビームCTによる自然孔撮影方法の検討
船川 竜生川鍋 仁宇佐美 晶信関根 秀志
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2021 年 34 巻 4 号 p. 294-297

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抄録

口腔インプラント埋入のための診断において自然孔形態を把握することは重要である.そこで,歯科用コーンビームCT(以下CBCT)による自然孔形態の観察のための撮影基準を乾燥頭蓋骨の頭部エックス線規格写真から設定することを試みた.

34側の矢状断乾燥頭蓋骨を用いた.自然孔周囲の篩骨の鈎状突起にボールベアリングでマーキングを行った後に側面頭部エックス線規格写真の撮影を行い,垂直的および水平的な鈎状突起の位置計測を行った.垂直的計測には,ナジオンを通りFH平面に平行な直線を設定して,口蓋平面との間の位置を計測した.水平的計測には鈎状突起からFH平面に垂線を下ろし,交点とオルビターレとポリオンの間の位置を計測した.

自然孔周囲に存在する鈎状突起の垂直的位置はナジオンを通るFH平面に平行な直線の下方20.8±2.5 mmに,水平的位置はオルビターレの後方11.2±2.4 mmの位置に存在していた.

自然孔の状態をCBCTで診断するために,鈎状突起の位置を用いることで適切な撮影領域を決定することが可能となる.

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© 2021 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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