日本口腔インプラント学会誌
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原著(基礎研究)
ジルコニアへの表面前処理が純チタンとの接着に及ぼす影響
大橋 功竹島 明道遠藤 富夫今宮 圭太竹味 利晃新崎 博文佐々木 かおり武本 真治
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2026 年 39 巻 1 号 p. 39-47

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抄録

目的:本研究では,チタン製アバットメントへのジルコニア冠の維持に及ぼす表面前処理の影響を明らかにすることを目的として,アルミナブラストおよびマルチプライマー処理したジルコニア試料をレジンセメントでチタン板に接着し,その接着強さを調べた.

方法:純チタン板に焼成したジルコニア試料をコンポジットレジンセメントで接着した.チタン板はエポキシ樹脂に包埋して耐水研磨紙で研磨した.ジルコニア試料は焼成し,半数にはアルミナブラストした.コンポジットレジンセメントに付随の表面処理材(プライマー)をジルコニア試料およびチタン板に塗布し,乾燥後にセメントで接着した.7日間37℃の水中で保管後,せん断接着強さを計測し,破断面を観察した.一部の試料は,走査型電子顕微鏡観察およびX線光電子分光分析(XPS)で調べた.

結果:アルミナブラストの有無での接着強さに有意差は認められなかったが,プライマー処理により有意に接着強さが増加した.破壊形態はプライマー処理したジルコニア試料でレジンセメントとチタン板との界面破壊が増加した.XPS分析の結果,リン酸エステル系モノマー由来のPとシランカップリング剤由来のSiが検出され,ジルコニア試料およびチタン板でその反応性が異なっていた.

結論:リン酸エステル系モノマー含有プライマーでのジルコニア表面前処理は,レジンセメントとの親和性を向上させ,接着強さの増大に効果的であった.

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