日本口腔インプラント学会誌
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原著(基礎研究)
セルフアドヒーシブレジンセメントの厚みがジルコニアと純チタンの接着に及ぼす影響
船木 弘豊嶋 健史麻生 幸男小室 美樹今宮 圭太山根 晃一佐々木 かおり武本 真治
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2026 年 39 巻 1 号 p. 48-54

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抄録

目的:本研究では,チタン製アバットメントへのジルコニア冠の維持に及ぼすセルフアドヒーシブレジンセメントの厚みの影響を明らかにすることを目的とした.

方法:焼成したジルコニア試料を,リン酸エステル系モノマー含有セルフアドヒーシブレジンセメントで純チタン板に接着した.接着に際し,セメントの厚みを0.03mm,0.06mmおよび0.095mm と規定した.また,ジルコニア試料の半数には,接着面にアルミナでブラストした.接着後,7 間37℃の水中で保管後,せん断接着強さを計測し,破断面を観察した.一部の試料は,セメントの厚みを調べるために試料断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.

結果:SEM観察よりセルフアドヒーシブレジンセメントの厚みは,規定の厚みに近い値であった.ジルコニア試料のチタン板に対する接着強さは,セメントの厚みが増加するに従って減少した.また,ブラストの有無での接着強さに有意差は認められなかった.破壊形態はチタン板とセメントでの界面破壊が多く認められ,セメントの厚みによる違いおよびブラストの有無での破壊形態の違いは認められなかった.

結論:セルフアドヒーシブレジンセメントでジルコニア試料をチタン板に接着した際の接着強さは,セメントの厚みが薄いほうが大きくなった.また,ジルコニア試料へのアルミナでのブラストは接着強さに影響しなかったが,セメントとジルコニア試料は十分に接着することが明らかになった.

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