日本口腔インプラント学会誌
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原著(基礎研究)
フルアーチインプラントモデルにおけるワイヤレスおよび有線口腔内スキャナーのインプラント位置再現性に関する研究:シリコーン印象法との比較
岡田 淳伊藤 凖之助百瀬 康仁宮下 達郎浅賀 勝寛井汲 玲雄阪 光太郎村上 高宏
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2026 年 39 巻 1 号 p. 55-62

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抄録

本研究の目的は,6本のインプラント体を埋入した無歯顎下顎模型を用いて,ワイヤレスおよび有線口腔内スキャナーのインプラント位置再現性を評価し,シリコーン印象法を用いて製作した作業模型と比較検討することである.

下顎無歯顎石膏模型にインプラント体を埋入し,マスターモデルを製作した.スキャンボディをインプラント体に装着し,歯科用デスクトップスキャナーを用いてマスターデータを取得した.ワイヤレス口腔内スキャナーはPrimescan 2 とTrios 5,有線口腔内スキャナーはPrimescan を用い,マスターモデルのスキャニングを行い,それぞれデータを取得した(n=10).

次に,シリコーン印象材を用いてマスターモデルの作業模型を製作し,データを取得した(シリコーン印象法,n=10).その後,3D 解析ソフトウェアを用いて,マスターデータと各口腔内スキャナー,シリコーン印象法のデータの重ね合わせを行い,スキャンボディの許容誤差範囲が50 μm 以内を一致しているとし,一致率の算出と比較検討を行った.その結果,Primescan 2(82.3%)とTrios 5(63.6%),Primescan(68.2%)では有意差を認めたが,各口腔内スキャナーとシリコーン印象法(69.7%)では差を認めなかった.カラーマッピングにおいて,Primescan 2 のスキャンボディは変位が少なかったのに対し,Trios 5,Primescan,シリコーン印象法では大きな変位を認めた.

以上より,Primescan 2 はTrios 5,Primescan よりも高いインプラント位置再現性を示し,各口腔内スキャナーはいずれもシリコーン印象法と同等であった.

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