日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム2:「下顎再建」
血管柄付き骨移植による下顎再建
―腓骨皮弁,肩甲骨皮弁,腸骨皮弁の使い分けについて―
牧野 修治郎北田 秀昭高野 昌士榊原 典幸野谷 健一北川 善政戸塚 靖則
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2010 年 22 巻 4 号 p. 138-144

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抄録

血管柄付き骨移植による下顎再建を行った74例(腓骨:44例,肩甲骨:23例,腸骨:7例)について検討した。治療疾患は悪性腫瘍(術後を含む):42例,放射線性骨壊死:13例,良性腫瘍:15例,その他4例であった。即時再建は35例で,二次再建が39例であった。生着成績は腓骨88.6%,肩甲骨・腸骨は100%であった。骨の欠損範囲をみると,腸骨はCAT分類でA,bodyに限定すればすぐれた移植骨である。肩甲骨はCAT分類の多くをカバーし,腓骨はさらに広範な欠損に対応可能であった。腓骨,肩甲骨の使い分けは,欠損範囲のみでなく,癌治療の考え方,骨皮弁の習熟度に依存すると思われた。

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© 2010 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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