日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム1:「口腔癌に対する癌ワクチン療法の現状と展望」
腫瘍特異的抗原由来ペプチドを用いた癌ワクチン療法
~臨床試験について~
吉武 義泰福間 大喜篠原 正徳
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2011 年 23 巻 4 号 p. 111-116

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抄録
癌に対する第4の治療法として期待され続けてきた免疫療法であるが,これまでは溶連菌の乾燥菌体によるOK-432(ピシバニール®)やカワラタケから抽出した蛋白多糖複合体であるPSK(クレスチン®),シイタケより抽出された多糖類であるレンチナンなどが癌治療に用いられてきた。しかし,それらを投与しても非特異的に患者の免疫力を高めるだけであり,癌細胞への選択性はまったくない。それに対し癌ワクチン療法,特に今回われわれが新たに投与を開始したペプチドワクチン療法は,非常に選択的に癌細胞だけを標的とすることのできる特定のリンパ球だけを増やすことを目指した治療法である。本文にて,われわれが実施している口腔癌に対する癌ペプチドワクチン療法の現状について報告する。
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© 2011 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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