日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
シンポジウム1:「軟組織再建 —患者のQOL向上を目指して—」
遊離前外側大腿皮弁による口腔再建術(原著)
林 信上田 倫弘山下 徹郎矢島 和宜
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 25 巻 4 号 p. 160-165

詳細
抄録

前外側大腿皮弁(Anterolateral Thigh Flap:ALT)は穿通枝皮弁で,比較的薄くしなやかで口腔再建術に適した皮弁である。組織量は前腕皮弁と腹直筋皮弁のほぼ中間であり,ALTの選択肢を持つことにより患者の体格,欠損量に適合した的確な再建が可能となる。皮弁採取創は一期的縫縮が可能で,比較的露出されない部位であるため,整容的にも認容される。穿通枝皮弁であるため皮弁挙上には技術を要するが,血管のバリエーションを含めた解剖の熟知,3D-CTAやカラードップラーなどの術前検査,拡大視による挙上,などにより安全・確実な挙上は可能である。口腔再建に際し選択肢の1つとして備えておく必要のある皮弁であると考える。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top