日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム2:「そこが知りたい!下顎再建のポイント」
[特別発言]下顎再建におけるCAT分類とCATコンセプト(総説)
橋川 和信
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2014 年 26 巻 3 号 p. 57-62

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抄録

口腔腫瘍切除後の下顎区域欠損に対する新しい分類法「CAT分類」と再建理論「CATコンセプト」について報告する。それぞれの概要は以下の通りである:
CAT分類—下顎骨における輪郭点である下顎頭(Condylar Head),下顎角(Mandibular Angle),オトガイ結節(Mental Tubercle)の3つ(両側で6つ)を基準点とし,それぞれをC点,A点,T点と定義する。これらの点の組合せで下顎区域欠損を分類する方法である。基準点を含む欠損の場合にそれぞれ「C」「A」「T」と分類し,複数の基準点を含む欠損の場合は「CA」「AT」「CAT」などとする。基準点のところで切除された場合は欠損に含まない。基準点を含まない下顎枝のみの欠損は「neck」,下顎体部のみの欠損は「body」とする。CATコンセプト—標準的な下顎再建手術を行うには,CAT分類の基準点であるC,A,Tを再現することが必要かつ十分な条件であるとする理論である。
これまでの研究の結果,これらは下顎再建を標準化する際の有用な基本理論であることが示されている。

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© 2014 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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