日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム2:「そこが知りたい!下顎再建のポイント」
腓骨皮弁による下顎再建(総説)
櫻庭 実
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2014 年 26 巻 3 号 p. 63-68

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抄録
血管柄付き腓骨皮弁は,長い骨が得られる,しなやかな皮弁が得られる,複数の骨切りが可能などの利点から,下顎再建に最も好まれる術式である。本稿では術式の詳細とそのキーポイントについて報告する。
術前の計画として腓骨は下顎欠損と同側の下腿から採取する。腓骨と同時に適切な量の長母趾屈筋を同時に採取する。採取した筋肉は頸部郭清後の顎下部の死腔を充填するために用いる。
手術は仰臥位でターニケット駆血下に行い,十分な大きさの皮島と骨を採取するように注意する。下顎骨形態の再現のための骨切りは,皮弁採取部の下腿で血流を保持して行う。骨形態の加工が終了したら腓骨皮弁を採取して頸部に移動する。
頸部に移動した骨はミニプレートまたは下顎再建プレートを用いて残存する下顎骨に固定する。その際,中の一時的な顎間固定により,正しい咬合位を得ることが重要である。骨の固定が終了したら皮弁の血管と頸部の毛環吻合を行う。最後に腓骨皮弁の皮島を口腔内の粘膜欠損部に縫合,頸部皮膚を閉鎖して手術を終了する。
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© 2014 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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