日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム1:「スーパーアドヴァンス症例への対応,進行再発癌に対する集学的治療 ─根治治療の可否判定と治療指針について─」
進行口腔原発巣再発癌(rT3,rT4)に対する救済手術(原著)
小村 健原田 浩之生田 稔島本 裕彰富岡 寛文釘本 琢磨
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2014 年 26 巻 4 号 p. 132-139

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抄録

今日,口腔の進行再発癌に対して最も高い根治性を希求しうる治療としては,唯一,手術療法と考えられる。しかし進行再発癌であるがゆえに切除範囲や手術侵襲も大きくなり,術後の機能面や整容面での障害も大きくなる。また可能なら術後に放射線療法や化学療法などの補助療法が考慮されるが,その予後は悪い。
原発巣再発癌の手術適応については,rT1-4aと一部のrT4b(咀嚼筋間隙浸潤や翼状突起浸潤例は適応あり,頭蓋底浸潤例や内頸動脈包含例は適応なし)と考えてきた。
進行原発巣再発(rT3,rT4)例で救済手術を施行しえた症例の治療結果は,他院初回治療例では13例中9例が無病生存し,当科初回治療例では9例中5例が無病生存中であった。
進行局所再発癌の手術においては拡大手術が必要となり,それに伴い再建手術が必須となる。一次治療において手術が行われている症例では,再建皮弁や吻合血管にも制約が加わることがあり,術前には十分なICとともに,周到な治療計画の立案と,術後には支持療法を含めより慎重な管理が必要と考えられる。

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© 2014 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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