日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
シンポジウム3:「口腔癌のTNM分類を考える」
口腔癌における病理診断の標準化に向けて(原著)
長塚 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 28 巻 3 号 p. 109-113

詳細
抄録
口腔癌における病理診断の標準化は,全国がん登録の義務化やがん治療の均霑化を図る上で極めて重要と考えられる。口腔癌の病理診断の標準化にあたっては,診断におけるシステムの問題が課題としてあげられ,そのなかには疾患概念や用語が含まれる。疾患概念や用語の統一は,臨床医と病理医の連携・病理医間での連携において診断の標準化の基盤となる。国際的な視点からは,口腔癌とその境界病変の病理診断に用いる用語や定義は,UICC分類と,組織についてはWHO分類が基準となる。口腔癌の規約に関しては,本邦ではUICCやWHO分類に,部位特異性を加味した口腔癌取扱い規約第1版,頭頸部癌取扱い規約第5版が使用されており,口腔という同一臓器に対して2つの規約が存在している。この2つの規約では,病理に関する記載事項において,疾患概念,記載順序,用語に違いがみられる。このような違いは,どちらの規約を用いたのかが明確にされないと齟齬が生じる可能性が高い。現在,日本口腔腫瘍学会では,口腔癌取扱い規約改訂の検討を行っている。口腔癌における病理診断の標準化を目指すために,新たな口腔癌取扱い規約では,関連する各学会とも緊密に連携しながら,今後予定されている国際基準であるUICC分類とWHO分類の改訂を踏まえて,国内規約および国際基準との整合性をとりながら改訂していく必要がある。
著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top