日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
シンポジウム4:「臓器温存治療を目指して」
頭頸部癌治療における粒子線治療の現状と今後(総説)
不破 信和
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 28 巻 3 号 p. 128-133

詳細
抄録
頭頸部癌治療における放射線治療の役割は解剖学的な特異性から,他臓器の癌以上に大きいものがある。最近の放射線治療の進歩として強度変調放射線治療(IMRT)と粒子線治療がある。IMRTは複雑な照射野形成が可能であり,頭頸部癌において最もその特性が活かせる治療法である。一方,粒子線治療は大きな腫瘍に対して効率よく放射線を集中させることが可能であり,殺細胞効果の高さも加わり,通常のX線治療やIMRTで制御困難な大きな腫瘍や放射線抵抗性腫瘍がその対象になる。
現在,頭頸部癌における粒子線治療の主な対象は非扁平上皮癌であるが,今後は進行頭頸部扁平上皮癌に対しても化学療法との併用治療は重要な役割を担うものと思われる。
著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top