日本口腔腫瘍学会誌
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Print ISSN : 0915-5988
シンポジウム2「高齢者口腔癌治療の実際と今後の方向性」
高齢者口腔癌治療の実際と今後の方向性
―口腔癌治療を健康余命の面から考える―
栗田 浩
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2017 年 29 巻 4 号 p. 189-195

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抄録

高齢者の口腔癌患者が増加している。これらの患者では,身体的,生物学的,生理的,精神的および社会的に問題を抱えており,口腔癌治療医はその治療に苦慮している。
われわれはこれまでに,後期高齢口腔癌患者の健康余命・自立期間(生命予後および病的状態を考慮に入れた総合的健康指標)について検討を行った。その結果,早期癌ではほとんどの患者が根治的な治療を受けており,その健康余命および生存期間は良好であった。また,進行癌患者では,75~79歳で標準治療が行われた患者では健康余命が良好であった。これらの結果から,後期高齢口腔癌患者の治療を考える際に,健康余命が重要な指標となる可能性や高齢者の機能評価の必要性が示された。また,いわゆる“Vulnerable”な高齢患者や根本的治療を望まない患者に対する治療法の開発が必要である。

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© 2017 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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