日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
症例報告
上顎歯肉に発症したエイズ関連形質芽細胞リンパ腫の1例
北村 直也溝渕 隆宏大野 清二吉澤 泰昌山本 哲也
著者情報
ジャーナル フリー

29 巻 (2017) 4 号 p. 233-239

詳細
PDFをダウンロード (1360K) 発行機関連絡先
抄録

形質芽細胞リンパ腫(Plasmablastic lymphoma, 以下PBL)はHIV陽性者の口腔内に発生する予後不良の非Hodgkinリンパ腫として知られている。今回われわれは,上顎歯肉に発症したエイズ関連PBLの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。患者は61歳の男性で,上顎左側第二大臼歯周囲歯肉の腫脹を主訴に紹介となった。生検標本の病理組織学的および免疫組織化学的検索により病変はPBLと診断された。血液検査の結果,HIV抗原および抗体が陽性で,HIV-1定量PCRおよびCD4陽性細胞数がそれぞれ51,000 copies/mlおよび105 cells/μl であると判明した。 血液腫瘍内科医によるAntiretroviral therapyが開始後,上顎歯肉の腫瘤はPBLに対する化学療法は行うことなく急速に消退した。現在,Antiretroviral therapy開始後2年が経過しているが,HIV感染に対するコントロールは良好で,PBLの再燃も認められていない。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
前の記事

閲覧履歴
feedback
Top