日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
臨床統計
80歳以上の高齢口腔癌患者の臨床的検討
柚鳥 宏和梅田 正博岩谷 博篤松尾 健司松本 耕祐石田 優橘 進彰古森 孝英
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 30 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録
超高齢社会の到来とともに高齢口腔癌患者の治療を行う機会も増えてきた。今回,当科における80歳以上の高齢者の口腔癌患者の治療法について検討した。2013年7月〜2016年6月に当科を受診した80歳以上の口腔癌患者は24例で,後ろ向きに治療内容,手術および術前,術後のQOLなどを評価した。治療法は根治治療が17例,姑息的治療が1例,BSCが6例であった。根治切除例は,局所切除のみが11例,局所切除と頸部郭清を含めた手術を6例に施行した。そのうち皮弁再建症例は3例であった。手術例17例では術前後のQOLにほとんど変化はなかった。高齢口腔癌患者の手術適応基準を考えるうえで高齢者機能評価であるG8があり,今回の検討では,根治切除症例群の平均点は12.3点で,非根治治療群は6.4点であった。皮弁再建症例は14.3点であった。
著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
次の記事
feedback
Top